Discord自動通知で464日続く習慣化の仕組み

はじめに

友人たちとの作業報告Discordコミュニティで、毎日19時に「サーバー開設から【◯日】経過!」という自動通知を464日以上続けています(2025年8月9日時点)。

今回は「継続のモチベーション維持」という課題を、Google Apps Script(GAS)による自動通知で解決した体験をシェアします。最初は継続のためのツールだったのに、今では完全に習慣化されて、逆に通知が「今日も一日お疲れ様」の合図になっているという、予想外の効果がありました。

実際に試してみた

a square button with a smiley face on a blue background

きっかけ・動機

友人たちと日々の作業報告、タスク進捗、AI関連の新しい知見を積極的に共有するDiscordコミュニティを運営しています。毎日の日報やAIに関する面白い発見をシェアする、いわゆる「作業部屋」的なサーバーです。

でも最初の頃は「今日も報告しなきゃ」「継続できるかな...」という不安がありました。そこで、「どれくらい継続できているか」を可視化することで、継続のモチベーションにしようと考えたんです。

毎日19時頃に「サーバー立ち上げから◯日経過!」という自動通知があれば、「今日もみんなで頑張ったね」という気持ちになるんじゃないかと思いました。

実際のシステム開発もClaude(通常版)と協業で進めました。GAS のコード作成、DATEDIF関数の実装、Discord Webhook連携の設定など、全てAIサポートで効率的に開発できました。

試行錯誤の過程

最初は複雑な仕組みを考えていたんですが、実際にやってみると意外とシンプルでした:

  1. Google Sheetsで自動計算: DATEDIF関数で開設日(2024-05-02)から今日までの経過日数を自動計算
  2. GASでデータ取得: SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet()でシート接続
  3. Discord Webhook連携: UrlFetchApp.fetch()でPOST送信

工夫したポイントは、メッセージフォーマットを「サーバー開設から【◯日】経過!」という形で統一したことです。視覚的にも分かりやすく、メンバーの目を引くデザインにしました。

結果・気づき

実際に運用してみた結果、464日以上継続できています(2025年8月9日時点)。これは本当に予想以上でした。

最初の100日頃は「今日で◯日目!やったー!」という感じで、確実にモチベーション維持の効果がありました。通知が来ると「今日も頑張った感」が生まれるんです。

200〜300日頃になると、通知は「今日の終わり」を告げる合図みたいになってきました。「あ、もう19時か、お疲れ様」という感覚です。

そして400日を超えて今では464日。完全に習慣化されて、逆に通知がないと「あれ?何かおかしい」と感じるようになりました。継続のためのツールが、いつの間にか日常のリズムの一部になったんです。

実際にGoogle Apps Scriptのトリガー機能で毎日19時20分に自動実行されていて、エラー率0%で安定稼働しています。

筆者の考え・見解

このアイデアの価値

個人的に、習慣化の心理学を技術で支援する理想的な例だったと感じています。

464日続けてみて分かったのは、継続には段階があるということです:

  1. モチベーション段階(1-100日):通知が励みになる
  2. ルーチン段階(100-300日):通知が時間の目安になる
  3. 習慣段階(300-400日):通知が日常の一部になる
  4. 定着段階(400日以降):通知なしでは逆に不安になる

技術的には本当にシンプルなのに、心理的な効果は段階的に変化していくのが面白い発見でした。エンジニア視点では「5分で作れる自動化」、マーケター視点では「長期的な行動変容設計」として、両方の価値があります。

AI協業開発の価値も実感しました。システム開発はClaude(通常版)、この記事執筆はClaude Code。それぞれの得意分野でAIを使い分けることで、アイデアから実装、そして情報発信まで一貫してサポートしてもらえました。

活用シーン・応用例

作業・勉強の継続サポートでの応用が特に効果的だと思います:

  • 資格勉強グループでの継続日数通知
  • プログラミング学習コミュニティでの進捗共有
  • ブログ執筆・創作活動の習慣化支援
  • ダイエットや筋トレなど健康管理の継続

企業やチームでの応用も考えられます:

  • 新プロジェクト開始からの経過報告
  • リモートワークチームの結束感向上
  • 毎日のスタンドアップミーティングのリマインダー

筆者の場合は「AI知見の共有」「日報の習慣化」という目的でしたが、どんな継続したい習慣でも応用できるのが最大のメリットです。

注意点・制約

464日運用してみて感じた課題もあります:

「慣れ」による効果の変化が最大の注意点です。最初は励みになっていた通知も、慣れると当たり前になってしまいます。これは良い面(習慣化)と悪い面(刺激の減少)の両方があります。

技術的な制約としては:

  • Webhook URLの管理(絶対に公開してはいけない)
  • DATEDIF関数で完全自動化済み
  • GAS の実行制限(1日の実行回数に上限あり)

Google Apps Script活用のポイント

完全自動化された実装

Google Sheets の設定

A1: 2024-05-02開設日
B1: =TODAY()(今日の日付
C1: =DATEDIF(A1, B1, "D")(経過日数を自動計算

GAS のコード

function sendDiscordNotification() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName('Sheet1');
  var elapsedDays = sheet.getRange('C1').getValue(); // DATEDIF関数の結果を取得
  var message = "サーバー開設から【" + elapsedDays + "日】経過!";
  
  var webhookUrl = 'YOUR_DISCORD_WEBHOOK_URL';
  var payload = JSON.stringify({ content: message });
  
  var options = {
    method: 'post',
    contentType: 'application/json',
    payload: payload
  };
  
  UrlFetchApp.fetch(webhookUrl, options);
}

重要なポイント

  • Webhook URLは絶対に公開しない
  • contentType: 'application/json' の指定が必須
  • DATEDIF関数により完全に自動化(手動更新不要)
  • エラーハンドリングを追加するとより安全

トリガー設定での自動化

GASの「トリガー」機能を使えば、完全自動化も可能です:

  • 時間ベース: 毎日決まった時間に実行
  • スプレッドシート更新時: データ変更で自動実行
  • カスタム頻度: 週1回、月1回なども設定可能

まとめ

unknown persons using computer indoors

464日間の運用を通じて、「継続のためのツール」が「習慣化の一部」に変化していく過程を体験できたのは、本当に貴重な発見でした。

最初は「今日も頑張ろう」のモチベーション、途中から「今日の終わり」の合図、そして今では「当たり前の日常」になっている。技術的にはシンプルなのに、心理的な効果は長期間にわたって段階的に変化し続けるのが面白いポイントです。

個人的に、習慣化には「外部からの適度な刺激」が重要だと再認識しました。毎日19時の通知は、友人たちとのコミュニティにとって「今日も一日お疲れ様」を伝える、技術的な仕組みを使った心の交流になっています。

継続したい習慣がある方は、ぜひGoogle Apps Scriptでの自動通知を試してみてください。きっと思いがけない心理的効果を体験できると思います。

464日の経験から言えること

  • 最初の100日は確実にモチベーション効果がある
  • 200-300日で日常のリズムの一部になる
  • 400日超えると「習慣の証明」として機能する
  • DATEDIF関数による完全自動化で運用負荷ゼロ
  • 464日まで来るとシステムの安定性(エラー率0%)も重要
  • システムトラブル時の心理的ショックは予想以上

今では通知が来ないと逆に心配になるくらい、完全に生活の一部になりました。小さな技術的工夫が、長期的な行動変容を支援する理想的な例だったと思います。

AI協業による開発から継続支援まで、一つのアイデアを464日間の実績まで育てることができました。技術的なハードルを AI がサポートしてくれたからこそ、本質的な「習慣化支援」という価値に集中できたのだと感じています。

投稿者プロフィール

なおきち
なおきちホネグミ代表 エンジニア×マーケター
応用情報技術者/簿記2級
明治政経→武田塾講師7年→IT系の会社役員4年→独立4年目。

中学生でネットビジネスを始め、大学時代に起業。
クライアントの「こうしたい」を、ITとマーケの両視点から形にしています。
最近は、思想駆動型サービス開発の第一人者として、AIを活用した様々なサービス開発を続けています。